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ちょっと感動した体験。

昨日、お昼休みにいつも通る小さな路地を歩いていると、向こうから一人のおじいちゃんが歩いてきます。どうやらモスクからお祈りを終えたようで、高齢の為か足を引きずりながら、ゆっくりと近づいてきます。私とすれ違う手前で、いきなり両手を胸の前で合わせてお辞儀をしてくれました。私は急な出来事に驚いて会釈をしてその場を通り過ぎましたが、なぜ私がお辞儀されたのか不思議で、インドネシア人の同僚に今あったことを話しました。

すると、その人は驚いたことに、自分の亡くなった祖父も日本人を見ると会釈をしていたことが数回あったと言います。(バンドン出身、PETAの一員だったそうです。)

皆さんは、インドネシアのPETAの存在をご存知でしょうか?

郷土防衛義勇軍(Tentara Pembela Tanah Air/略称PETA「ペタ」)と言って、日本軍がインドネシアを日本軍政下においていた時、祖国のための自己犠牲の尊さ、闘う勇気などの精神の元、民族軍として軍事組織を結成し、日本軍の指導の下、軍事訓練を行いました。具体的には竹やりの使い方やゲリラ戦や情報戦の技術を教育したと言われています。

また、このPETA出身の青年たちがインドネシア独立の際に、活躍したという話は有名です。(『ムルデカ17805』:インドネシア独立戦争に関った日本兵を描いた映画を観て驚きました。)

インドネシアは2017年で独立72周年を迎えようとしており、それから考えると現在80代以上の方は、日本軍との関りがあったと推測でき、日本人に何らかの感謝や尊敬の気持ち(もしくは好意的な感情)を持っている方も少なからずいるということになります。

世界一の親日家のインドネシアという噂を聞いてインドネシアにやってきてもうすぐ2年。時々そのことを実感することはありましたが、アニメなどの文化から、日本に親しみを持っているのだろうという程度の感覚でした。しかし、年配のおじいさんから会釈された意味を知って、感動と、インドネシアで友好関係を築いてきた先代の日本人に感謝したくなりました。

日本人は憧れの眼差しで見られることも多いので、先代に習って、彼らの良いイメージを壊さないような態度で接したいと改めて思いました。

写真は、同じ路地に住むおばあちゃんたちと。いつも通りかかると素敵な笑顔で接してくれる。


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