サンゴの眠る夜の海で、ナイトシュノーケリング!
- Kaori Blue
- 2016年9月15日
- 読了時間: 4分
先月開催した、カリムンジャワ島のツアー中、夜の海に出かけてみた。
ボートで暗闇を進み、サンゴがたくさんあるポイントで、船が止まる。あまりにも真っ暗な中、佇む船の上には私たち。
「えーっと、何をしに来たんだっけ?」なんて言いながら、まずは釣りをはじめた。
魚の内臓を餌に、針と重りを付けたテグスを暗い海の中に垂らす。もちろん釣り竿なんて使わない現地スタイル。暗くて何も見えないので、手の感覚がすべて。途中、何度もサンゴに針が引っかかってしまう。何も見えないが、船の下にはそれほどサンゴがたくさんあるということなのだろう。
昼間に泳いだことのある場所なので、安全なことはわかっているのに、暗闇の海は、得体の知れない感覚がある。浅瀬ならまだしも、足が着かない場所だ。少しドキドキしながらシュノーケリングのタイミングを待つ。
地元の漁師さんが、懐中電灯とモリを片手に、夜の海に潜っていくのを見て、 「よし!私も勇気を出して、夜の海に潜ってみよう!!」 ついに、シュノーケリングマスクを付けた。
懐中電灯を落とさないように手に巻き付け、一歩ずつ慎重に船のはしごを下りる。海の中の方が思っていたより温かく、いつもの海と一緒だと自分に言い聞かせて、最後はバシャーンと海の中へ。
だが、懐中電灯で前を照らすも思いのほか何も見えない。。。
「どうしよう、どこに進めばいいんだ・・・」
とちょっと不安になる。
絶対大丈夫だと思っていても、サメが出てきたらどうしようとか、余計なことを考えてしまう。
あとから、友人も海に入り、二人でしばらくサンゴがあるはずの方向に進んでいく。
途中、懐中電灯の光に反射する光の筋があった。
近づくと、5センチ程の、細長いジェリー状の物体で、体の中にはピンク色に反射する点が線上に並んでいる。目がないので、クラゲの一種だろうと勝手に判断。肌に触れるとビビビと電流がかすかに流れる感覚があり、その棒状のクラゲを避けながら、前へ前へと進んでいく。
いよいよサンゴの塊が見えてきた。夜はウミガメがサンゴの下で眠る、と地元の人から聞いていたので、私はカメさんを探しながら、サンゴの丘を抜けていく。
昼間は色とりどりの魚がたくさんいたのに、夜はみんな寝静まっている。時々出会う小さめのシマウマのような模様の魚は、時が止まっているかのように、流れにただただ漂っている。
サンゴを注意深く観察してみると、中に小さな点がいくつも光っていた。2つの点が並んで光っているので、目のように見えるが、2メートルほど離れたサンゴの上からは、その体が見えない。息を溜めて、少し海の中へ素潜りしてみる。近くでその点を観察すると、透明な体を持った2~3センチほどのエビの赤ちゃんがたくさんいた。
「エビだったかー」と心の中で満足げにつぶやきながら、水面へ戻る。
スーコースーコーと自分の息の音が、水の中では大きく聞こえて、それが余計に静寂さを強調する。
一通り冒険が終わり、そろそろ戻ろうか・・・と水面に顔を出して船の位置を確認する。一瞬暗がりで船を見失ったが、船の上の光を見つけることができて助かった。
なんとなく、帰りは早く戻りたい気持ちになって、船の方向にひたすら泳ぐ。途中、懐中電灯の光を前に当てるのではなくて、底に向けると、海底が確認できることに気づき、なんだかホッとした。やはり、周りが見えないというのは少なからず恐怖がある。
いつもより暗い色の海の中は、魚が寝静まり、日中の華やかさとは全く違った印象を受けた。予想以上に静かで、海底を潜水艦で旅している気分にさせてくれた。
船に戻ると、立派なロブスター2匹と、大きなイカ、他にも魚がいくつも採れていた。地元の漁師さんが海に潜ったきり、なかなか戻ってこないと思ったら、1時間ほど辺りを泳いで、採ってきたらしい。ロブスターの美しい姿に興奮気味の私


売ったらいい値段になるだろうに、気前よく全部くれちゃった。
船の上から釣りを楽しんでいた友人も魚が釣れたらしく、今日は大漁だ。(ほとんど漁師さんが採ったんだけどね笑)
心地よい夜の海風を感じながら、泊まっている離島に戻り、早速、炭火で魚たちを焼く。ロブスターも贅沢に姿焼きだ。
海水の自然な塩味で、イカはプリプリ。シンプルだけど、やっぱり採りたてが一番美味しい。

海の新しい一面を知れて、
海と、もっと仲良くなれたような気分になった。